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りんごと春夏秋冬

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お正月があけ、空気も凍る1月から、りんごの枝の剪定が始まります。
伸びすぎた枝や古くなった枝を切り、バランスを整え、主枝の先端まで樹液がうまく流れるように・・・

冬の間は木も眠っていて準備期間。
私たちも、剪定しながら畑の片づけや肥料まき、虫や菌が越冬しづらいように古くなった樹皮をけずったり、病気を見つけたり、あれこれ準備をととのえます。

桜前線が過ぎ、葉桜が満開のころ、やっと真っ白なりんごの花が満開になります。
りんごも桜も同じバラ科なので、りんごの花と桜の花は、形がそっくり。
きれいな桃色のつぼみから、真っ白で可憐な花が咲きます。(品種によって、真っ白だったり、うす桃色だったり)
りんごは、ひとつの花芽から5つ~6つほど花を咲かせます。

りんごの花が咲きはじめると、とたんに私たちも忙しくなります。
まずは人工授粉から。
日本みつばちが少なくなり、自然受粉が難しいこともあるため、耳かきのてっぺんについているようなホワホワついた、ながーい棒で、こっちの花をちょんちょん、品種のちがうあっちの花をちょんちょん、として畑中歩きます。

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りんごと春夏秋冬

その後、不要な場所に咲く花を摘み、来年の人工授粉用の花粉を集めます。

花が終わると、摘花しきれずに実を結んだ、ちいさなちいさなりんごたちを、5つのうちのひとつにしていきます。(荒摘果)
どうやって5つの中からひとつ選ぶかというと、主に中心果や形のいいもの、軸が太く大きいもの、あとは、なんとなく瞬間的に目の合うりんごがいるのです。
一本の木からは何千という花、実がつくので、それはそれは気の遠くなる大仕事。

そのあとお盆が終わるころまでかけて、どの枝に、どれだけりんごをならせようかと思い悩みながら、ここは多いとか、ここはいらないとか、このりんごはおいしくならないなど、暇さえあればりんごの木の周りを摘果してまわります。
ただ、そんな最中に雹(ひょう)が降ったり、台風が来たり、カラスの大群が来たり、毎年何かしらのハプニングに会いながら、作業をすすめます。
また、6月から8月は水分がとても大事。
のびのびと、シャキッと、果汁いっぱいのりんごにするためには、水やりが欠かせません。

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そして、夏が終わり、上田の気温が下がってくると・・・
9月も半ばをすぎると、早生のりんご、シナノドルチェやシナノプッチがおいしいころ。
9月下旬からは、秋映(あきばえ)、紅玉など酸味のあるりんごが熟します。
10月中旬には、シナノスイート、シナノゴールドがおいしくなり、
11月上旬には、王林、あいかの香りがもう食べごろ。
11月中旬には、りんごの王さま、ふじ。

あとはもう、みなさまのお好みのりんごを、お届けできる順番に、せっせとつめつめ、お送りするのみ。

りんごをすべて収穫し終わったりんごの木は、重たい重たいこどもたちがみんな巣立ち、その重さで垂れ下がっていた枝たちもすっきりピンっと、また空に向かいます。
そして、一年ごくろうさま、ありがとう、また来年もよろしくお願いします、と木と土に「お礼肥」をします。

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りんご、まるごと。

収穫の際には、日焼けしていたり、鳥につつかれたり、虫に果汁を吸われたり、枝にぶつかった痕があったり、実がはじけてしまったり、そばかすが多かったり、そんなりんごたちもたくさんいます。
そんなりんごたちは、お正月が過ぎ、ご贈答りんごの仕事もひと段落したころ、とびきりのりんごジュースに変身。
完熟りんごをまるごとしぼって、ほかには一切何も入れないりんごジュース。
通常売っている濃縮還元ジュースとは、同じりんごジュースとは呼べないほど、りんごの味そのままの、濃くて素直なやさしい味。
ぜひ一度味わって頂きたいジュースです。